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校長より
2015.10.15
丘の学び舎 その17

 二期制をとっている小林聖心では、10月から後期が始まりました。小学生も中高生も、それぞれ間近に迫った体育祭に備えて、準備に余念のない時です。校長室からのお便り「丘の学び舎」では、これからも学校の様子をお伝えしていきたいと思います。

 中高の始業式では、世界中が心を痛めている「難民」の問題を取りあげ、元国連難民高等弁務官、緒方貞子さんのインタビューや教皇フランシスコのメッセージも紹介しました。思い起こせば、日本は1970年代後半から、約1万1千人のインドシナ難民を受け入れたという経験があります。しかし、昨年は5千人の難民認定申請に対して認定数はわずか11人、シリアからの難民申請60人に対しても、認められたのは3人だそうです。緒方貞子さんがインタビューで語っておられたように、日本はずいぶん「思いやりの減った」国になってしまったのでしょう。「難民の受け入れに積極性を見いださなければ、積極的平和主義というものがあるとは思えない」という緒方さんのことばを重く受け止めました。(9月24日朝日新聞朝刊)

 カトリック教会のリーダーとして、様々な場で発言をしておられる教皇様は、昨年の世界難民移住移動者の日」に寄せて、「多様性と、異なる背景や文化をもつ人々との分かち合いを尊重する寛容さだけでは十分ではありません。教会は、まさに国境をなくすために、また、『自己防衛的で臆病で無関心で差別的な態度を捨てて、出会いの文化に基づく態度をとる』ために尽力します。」というメッセージを述べておられます。実りの秋を迎え、後半をスタートした小林聖心。今学年の目標である「Trans-Border 越える・つながる・創り出す」をもう一度心に留め、クラスで、学年で、そして学校全体で出会いの文化を築いていくことができますように。そのために、自分を越えて、勇気と思いやりをもって互いとつながっていくことができますようにとの願いを込めて、生徒一人ひとりの上に神様の祝福を祈った始業の日でした。

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