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丘の学び舎 その105

2021年1月18日 校長室より
新たな寒波がやってきています。この土日は、大学入学共通テストが実施されました。報道によれば大きな混乱もなく終了できたようですが、試験の内容はずいぶん変わってきているようです。寒さとコロナ、そして、共通テスト第一回目と、いろいろ緊張が多い中、小林聖心の受験生たちもよく頑張ってきました。 先日、小学校の校舎を歩いていて、三階のオープンスペースに入った瞬間、4年生が図工の時間に描いた自画像が目に飛び込んできました。「4年生の私」という表題がついています。表情といい、ポーズといい、まるで、そこに全員いるかのように、存在感をもって迫ってきます。4年生も終わりに近づいている子供たちの自我の芽生えを感じさせられます。 自画像を描くには、自分と正面から向き合うことが必要です。自分の顔のそれぞれの部分をしっかり眺めるとともに、全体も捉え、見た通りに描くことが大切です。しかし、そこに表れてくるのは、単なる顔かたちではありません。自分の内面が見事に表れてくるのです。小林聖心では、4年生だけでなく8年生も自画像を描くことになっています。年齢が上がるにつれて、子供たちの内面に複雑さや豊かさが芽生えていくのを、はっきりと見て取ることができるのは本当に嬉しいです。 聖心会の第6代総長、天性の教育家といわれたマザー・スチュアートは、子供たちが学校の教育を終えて巣立っていく時に、「ある程度の自己認識、能力、目的を持っていなければなりません。これらの3つのものを持たずに学校を出ると、人生の流れのなかで漂流してしまうことになります。」という言葉を残しています。 自画像を描くことは、この自己認識を育む機会となります。これに限らず、小林聖心では、日常の学校生活において、「自分を見つめる」とか、「自分と向き合う」ということを度々、いわれる学校です。日々の祈りや振り返りは、まさにその時間です。 この閉塞感溢れる不安な時代に、子供たちがしっかりとした自己認識を育み、世の流れに漂うことなく、しっかり立って歩いていけますように。4年生の自画像を眺めながら、そんなことを考え、祈っていました。

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