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丘の学び舎 その106

2021年1月25日 校長室より
先週は7年生と9年生、今週は8年生、来週は10年生、11年生、そして、進路の決まった12年生と、黙想会が続きます。毎年、学年末に向かう時期に行われる大切な行事です。それぞれの学年に相応しいテーマで、神父様やシスターからお話をいただき、静けさの内に、振り返って一人で祈る、2日間です。 9年生は「いのち」というテーマで考え、祈り、深めました。一日目の最後に、気づいたことや祈ったことを言葉や絵に表して作品を仕上げました。9年生の教室の廊下には、現在、9年生全員の作品が掲示してあります。「いのちは、つながっている」「いのちは支え合いのなかにある」「一つ一つ特別でかけがえがない」「私が生まれてきたのは奇跡」「神様からいただいたもの」「感謝!」「いのちを養ってくれた食物」等々。一枚一枚眺めていると、それぞれの生徒が味わったいのちの重みが伝わってきます。 生徒たちの思いを眺めていると、生命科学者、柳澤桂子の言葉を思い出します。「36億年ぐらい前に、どこかの海の中で命が芽生えた。それがずうっと絶え間なく、私の体の細胞の中に全部その遺伝情報が伝わっているから、私がここに生きている。一度も途絶えていないんですよ、36億年間。」「命はそれを持っている人のものだなんて、思い上がりだと思うんですね。36億年の歴史をもつ生き物が、その歴史をたどって、今、私のところにたどりついている。」 この一年、世界中の人が命と向き合って生きてきました。中学生は中学生として、突如として変化した日常や社会の変動の中で、敏感に今の時代を感じ取っていることでしょう。そして、当人たちは意識せずとも、先の見えない閉塞感の中で、生きていることの意味を模索しているに違いありません。普段の生活を少し横において、人間にとっての、根本的なテーマに向き合い、自分を元気づけ、勇気づけてくれる気づきがあったのなら、とても嬉しいです。そして、その「いただいたいのち」を、これからどのように生きていくのか、責任をもって応えることのできる人に成長しますようにと祈らずにはいられません。

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