小林聖心女子学院ブログ 小林聖心
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丘の学び舎 その163

2024年2月13日 校長室より

ロザリオヒルの白梅が開花し、小林の丘一面が近づく春の訪れを告げ知らせています。鳥のさえずりも、一層高らかに響き渡るようになりました。今週は気温も上がってくるとの予報です。

学校では、12年生が小林聖心最後の一週間を過ごしています。校長室からは、卒業の歌や送別の歌など、卒業式を準備する歌声が聞こえてきます。歌を聴きながら、一抹の淋しさを感じると同時に、新しい生活に旅立つ卒業生への祝福を祈り願う日々です。

この3週間程で、中高すべての学年の黙想会が終わりました。2日間をかけて、神父様のお話を伺い、祈り、振り返りの時間を過ごします。それぞれの黙想会ノートには、中高6年間分の心の軌跡が書き留められていきます。そして、このノートが、卒業後の一人ひとりの人生に大きな意味を持つということを、卒業生がよく語ってくれます。その時々の自分自身との語らいや、神父様のお話を通して心に響いてきた神様の呼びかけ等、人間としての成長をこのノートの中に発見し、長い人生を支えてくれる糧をいただくに違いありません。

いよいよ、今週の土曜日、12年生は小林聖心を巣立っていきます。卒業生、保護者の皆様、在校生、そして、教職員一同、思いを共有しながら、一人ひとりの門出を見守りた
いと思います。それぞれが旅立つ先々で、「Artisans of Hope希望のつくり手」として歩んでいけますようにと祈りながら、卒業式を迎えることにします。

丘の学び舎 その162

2024年1月30日 校長室より

先週は厳しい寒さが続きました。この冬初めてでしょうか、みこころ坂の崖に「つらら」ができて、小学生は大はしゃぎでした。いよいよ1月も明日で終わります。能登半島で被災なさった方々にとってはどんな一か月であったかと思うと、胸が痛みます。

今年度は、コロナが明けて、一気に国際交流が活発になってきています。この1月は、オーストラリア、シドニーの姉妹校からの生徒1名が小林聖心で過ごし、先日帰国しました。台北聖心の生徒は2名、小林聖心での生活を楽しんでいるところです。また、1月24日には、韓国ソウルの聖心から20名近い生徒が本校を訪問しました。例年、日本で1週間程過ごし、最終日に小林聖心に立ち寄って交流会をします。2020年の1月を最後に来られなくなっていましたので、4年ぶりのことでした。

毎回2時間ほどの交流ですが、最近は言葉の壁を越えて、あっという間に友達になることができます。日本の子どもたちのハングル熱には、驚かされます。12年生は選択授業でハングルを取ることができますが、授業とは別に、ハングルを話せる生徒がどんどん増えています。K-Popを歌っているだけで覚えてしまうようです。2つの国の若者がこれまでにない親近感をもって、互いのPopカルチャーについて分かち合っている姿は、微笑ましいものです。

台湾の生徒はすっかり打ち解けて、9年生と11年生のクラスに属して楽しんでいます。漢字を書けば何となく意思疎通ができてしまうこともありますが、同じ漢字でも、中国語と日本語では全く意味が異なることがあります。生徒たちはそんな違いを発見しながら、互いの文化を知ることの豊かさを体験しているようです。

今年は、派遣する方も、受け入れる方も、国際交流が活気を取り戻してきています。嬉しいことです。

丘の学び舎 その161

2024年1月17日 校長室より

阪神淡路大震災から、29年目の日を迎えました。今年は元日に能登半島地震が起こり、とても悲しい年の始まりになってしまいました。コロナが解禁となり、4年ぶりで再会を楽しまれていたご家族も多かったことでしょう。阪神淡路大震災で地震を経験された方々、東日本大震災を経験された方々にとっては、過去のご自身の経験とも重なって、特に心痛む新年を過ごされたことと思います。一年中で最も、普通でいいので何事もなく穏やかに過ごしたい、そんな日が、地震と津波によって一転してしまいました。心より、お見舞い申し上げますとともに、一日も早く、落ち着いた場所での生活を始められますように、被災なさった方々のためにお祈りいたします。

日本国内で初めて新型コロナウイルス感染症第一例目が出たのは、2020年の1月15日でした。あれからの騒動は、忘れることができません。その4年後、ちょっとほっとした矢先、今度はまた大地震です。自然災害に感染症。一つ終わったかと思うと、また、次がやってくる。これが私たちの時代、と受け止めるには、あまりにも難しい現実です。

こんな時代に大人になっていく子どもたちには、例えどんなことがあっても、「生きるに値するいのち」の喜びを知ってほしい、というのが心からの願いです。そして、私たち教育者の務めは、まさにそのためにあるといっても過言ではありません。感染症も、災害も、つながりの中で生かされているいのちの尊さを学ぶ経験です。一人でも多くのいのちを救おうと奔走してくださる災害救援従事者の方々の姿を見ていると、いのちの重さを感じずにはいられない年明けでした。

2024年。今年も、子どもたち一人ひとりのいのちと向き合いながら、小林聖心は101年目に入っていきます。

丘の学び舎 その160

2023年12月22日 校長室より

昨日の終業の日で、2023年の学校生活が終わりました。創立100周年記念の年を終え、感慨深いものがあります。児童生徒、教職員、保護者、そして、卒業生の皆さんと共に、学院の歩んだ道を感謝とともに振り返り、「new chapter」に向けての一歩を踏み出した一年でした。新型コロナが落ち着き、学校生活に活気が戻ったところで100周年をお祝いできたことは、「神に感謝!」です。

学校では、StageⅠ~Ⅲそれぞれのクリスマス・ウィッシングが終了しました。コロナで縮小と変更を余儀なくされていたウィッシングでしたが、4年ぶりにとても小林聖心らしいウィッシングとなりました。また、それぞれのStage らしいウィッシングのあり方も徐々に出来上がり、子どもたちは、救い主イエス・キリストの御降誕の意味を味わいながら、また、その希望のしるしを、世界中の方々と分かち合えるよう祈りながら、ウィッシングに与りました。

終業の日に行われたキャロルも、4年ぶりとなりました。たくさんのお客様をお迎えし、主の御降誕の喜びを共にすることができました。ご来場くださった皆様、ありがとうございました。4年ぶりの同窓会主催クリスマスバザーも行われ、子どもたちは厳しい寒さをものともせずに、はしゃぎまわって楽しみました。クリスマスの喜びを多くの人と分かち合ったひと時でした。
世界では悲しいニュースが続いています。深い闇の中に生まれてくださった神の子は、今も、私たち人間の現実の只中に生まれてきてくださいます。東方の博士たちが星に導かれて救い主に出会えたように、希望という星に導かれながら、旅を続けていきたいものです。旅の先には、必ず、大いなる喜びが待っていてくださいます。

皆様お一人おひとりの上に神様の豊かな祝福をお祈り申し上げます。よいクリスマスと新年をお迎えください。

丘の学び舎 その159

2023年12月12日 校長室より

秋がすっかり深まり、みこころ坂は落ち葉のじゅうたんになっています。子どもたちは、様々な色の重なる幻想的な坂道を、どんな想いで上り下りしているのでしょうか。

今日は、創立者聖マグダレナ・ソフィアのお誕生日です。1779年のことです。244年前、フランスの小さな町ジョアニーで生まれた一人の女性が始めた学校が、小林聖心の始まりです。神様のなさることは、本当に不思議です。この女性のお陰で小林聖心が始まり、100年が経ちました。在校生、卒業生とそのご家族、そして教職員はもちろんのこと、旧職員や恩人の皆様と広げていくと、この学校を巡って、どれ程多くの方々の出会いと繋がりが生まれたことでしょう。それは小林聖心という大きな共同体であることを、様々な場面で再確認した2023年でした。聖マグダレナ・ソフィアご自身も感慨深い思いで、今年は特に小林聖心を見守っていてくださったことでしょう。

学校では待降節第二週に入り、プラクティスは3日目を迎えました。普段とは異なる静けさが校舎の中に広がっています。StageⅢは朝礼前に、揃ってクリスマスの歌を歌い始めました。4年ぶりです。StageⅡは、口を閉じるのが一番難しい年代ですが、それでも、何とか努力して静けさをつくり、イエス様が来てくださることに心を合わせようとしています。Stage Ⅰは、純真な心でプラクティスに取り組み、小さな手を合わせて、一生懸命お祈りしています。こうして、2023年、小林聖心の学校生活が終わりに近づいてきています。クリスマス・ウィッシングももうすぐです。

いよいよ始まる100周年の先の学校づくりに向けて、今日の創立者のお誕生日には特にお祈りいたします。そして、御保護を願いたいと思います。

丘の学び舎 その158

2023年11月24日 校長室より

先週の11月17日㈮、無事に創立100周年記念式典を終えることができました。ご参列くださった皆様、お祈りでお支え下さった皆様に、心よりお礼申し上げます。本当にありがとうございました。
前日の晩から降り続けた雨も、記念ミサの頃には何とか上がり、式典が始まる時には、青空が見えてきました。神様が私たちの祈りを聞きいれてくださったのでしょう。小林聖心の歩んだ100年に感謝するとともに、新たな一歩を始めるための祝福に満ちた一日でした。
大阪高松大司教区の前田万葉大司教様と酒井俊弘補佐司教様、そして4人の神父様方の共同司式による記念ミサに続き、記念式典が講堂にて行われました。200名程の来賓と学校関係者、生徒代表が参列し、オーケストラの演奏や4年生の劇、そして、11年生の校歌斉唱と、子どもたちの姿を見ていただくことができました。生徒代表12年生の挨拶も、小林聖心の教育を実感していただける内容だったのではないでしょうか。
100年の歴史は、一日一日の積み重ねであり、36,500日のあゆみです。その日その日の学校での出来事や喜び、悲しみの中で、8,000名を越える卒業生の成長が綴られた日々です。今も、そうした日々を一日一日続けていることの重みを感じさせられました。
マザー・マイヤーはじめ、お墓のシスター達は、天の御国で、どのような思いで100周年のお祝いを眺めてくださっていたのでしょう。今に至るまで受け継がれている小林聖心らしいものをたくさん遺していってくださいました。そして、これからもずっと、「みこころの子供たち」のために祈り続けてくださっているに違いありません。

丘の学び舎 その157

2023年11月8日 校長室より

先週の木曜日、創立100周年記念コンサートが、兵庫県立芸術文化センターの大ホールで行われました。指揮は田中祐子氏、演奏は兵庫芸術文化センター管弦楽団で、ソロのバイオリニストとして、小林聖心88回生の木ノ村茉衣さんを迎えました。会場を埋め尽くした1年生〜12年生の児童生徒全員と、保護者、卒業生の皆で、心ゆくまで演奏を楽しみました。

小林聖心の音楽教育の伝統を残してくださったのは、マザー・マイヤーをはじめとする、創設の頃のマザー方です。周年行事には、必ずコンサートでお祝いするのも、その伝統から来ているのでしょう。

田中祐子氏のしなやかな手の動きに合わせて、あるときには柔らかく、またあるときには力強く響き渡る演奏に、時間が経つのも忘れて聴き入りました。木ノ村茉衣さんは在学当時から学院祭などで活躍していましたが、専門の道を歩んで、現在はドイツ留学中です。さらに磨きのかかった演奏を披露してくださいました。

最後は、本校のオーケストラクラブとグリークラブも舞台に上がって仲間入りし、会場一体となっての校歌大合唱となりました。みこころに結ばれた、まさに「Home」でした。

帰り際に、11年生のある生徒が満面の笑顔とともに、「シスター、今日は本当にありがとうございました。」という学校へのお礼を述べてくれました。児童生徒にとって、小林聖心での思い出に残るいい日であったのなら、幸いです。

丘の学び舎 その156

2023年11月1日 校長室より

いよいよ今日から11月です。100周年記念コンサート、記念式典と続き、記念行事もクライマックスを迎えます。小林の丘は、深まりゆく秋の気配に包まれています。日々、樹々の葉っぱの色が変わっていくみこころ坂は、一年の中で最も美しい季節に入っていきます。四季折々の変化を目の当たりにしながら坂道を上り下りする子どもたちの心には、何が育っていくのでしょう。

毎朝、この坂道を上ってくる小学生と、校門から校舎まで一緒に歩きながら言葉を交わすのは、私の大きな楽しみです。よく出くわす子どもたちとは、顔馴染みになります。

それにしても、子どもたちは遊び上手です。先日、3人の1年生が「ニャーニャー」と言って笑い転げながら歩いてきたので「何をしているの?」と尋ねると「ニャンコごっこ」と言います。そこで、「じゃあ次は、ワンチャンごっこしよう」と私がいうと、口々に「ワンワン」「キャンキャン」と様々な鳴き声で応えてくれます。すると今度は誰かが「カーカー」と言い始めました。「それは何?」と尋ねると、「今度はカラスごっこ!」だそうです。こうして次々と生きものごっこが展開されていきます。おもちゃもゲームも何もなくても、こんなに楽しめるのです。

月曜日には、よく、「お休みはどうしていましたか?」と尋ねてみます。すると日曜日にやったことを丁寧に話してくれます。先日は、「ただただ遊んでいた!」という1年生の返事にとても驚きました。「ただただ」という表現が見事でした。

朝の何気ない会話を、これからも楽しみたいと思います。こんな小学生も、やがておすまし顔で挨拶する中学生になっていきます。それも成長の一つの過程です。

丘の学び舎 その155

2023年10月17日 校長室より

一雨毎に、秋が深まってきています。今日は、校長室からの音の風景をお伝えします。本館の中庭に面し、1階の音楽室にも2階の講堂にも近く、そしてセンター下の子どもたちの動きも伝わってくる校長室です。

まずは、鳥のさえずり。一年を通して、様々な鳥たちが集まってきます。校舎が静まり返っている時など、木漏れ日を通して、聴こえてくる鳥のさえずりに、心癒されます。

コロナの間、全く聞こえなかった子どもたちの歌声が、今年は、本格的に戻って来ています。音楽室から、それぞれの季節の行事を準備する歌声が響いています。最近は、10月の「感ずべき御母の祝日」で歌う歌や、11月の追悼ミサでの歌。そして、何よりも力がこもっているのは、12月のウィッシングで歌うクリスマスの歌の数々です。初めてハレルヤに挑戦する7年生は、特訓が続いています。授業の度に少しずつ進歩していくのがよくわかります。そして、授業が終わると、校長室の前を通って、自教室に戻る子供たちが、ひたすら「ハレルヤ!」と熱唱しています。とても微笑ましいです。

講堂からは、色々なプログラムに取り組む様子と子どもたちの声が聞こえてきます。プレゼンテーションが終わって拍手をしている音。行事の準備をしている音。学年集会で盛り上がっている音。何か楽しいことがあったのでしょうか。女の子独特のキャーと騒ぐ声も聞こえてきたりします。

昼休みになると、パン販売の業者さんが車で駆けつけ、お店を出してくださいます。4限目の授業が終わるやいなや、いそいそと子どもたちが集まってきます。昼休みならではの、弾んだ声が聞こえてきます。

四季折々の変化の中で、子どもたちの様子を伝えてくれる音の風景。静かに耳を傾けながら、一人ひとりの成長を祈る日々です。

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