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【校長室より】丘の学び舎 その10

2012年6月 8日 16:53
聖心で大切にしたい「集中力」

 5月は創立者聖マグダレナ・ソフィアの祝日があり、「みこころの子ども」(聖心女子学院で学ぶ子どもたち)に創立者が願っておられたことを心に留めて過ごしました。「物惜しみしない心(generosity)」や「連帯感・使命感をもって社会に貢献できる女性」という未来像が、皆さんの心に広がってきていることと思います。ところで、将来そういう人になるために、学校にいる間に、是非、身につけてほしい根本的な力として、創立者は何を考えておられたと思いますか。それは「集中力」です。今年度、皆さんに特に意識してほしいという願いを込めて、学校全体の目標の中に入れましたので、4月からしばしば思い出していることと思います。

 今、自分がしなければならないことに対して、全力で向き合うこと。「今」「ここ」でしていることに、心も頭も体もすべてを注いで向き合うこと。それが集中するということですね。今の皆さんはどうでしょうか。体はここに立っていますが、気持ちはどこかへ飛んでいっているということはないでしょうか。ここに立ってお話していると、皆さんの気持ちが一つになっているかどうか、本当によく伝わってきます。朝礼は朝礼、授業になったら授業、その時その時、自分のすべきことに精一杯向き合うことの積み重ねが、自分という人間をつくっていくのだと思います。

 「集中」と似ているようで似ていないのが、「没頭」ということではないでしょうか。「没頭」は周りが見えなくなっているけれども、「集中」は周りが見えているのだと説明されることがあります。ただ気の向くままに他のことを忘れて無我夢中になるのではなく、自分がすべきことを判断し、意識して、一生懸命取り組むところに生まれるのが「集中」のようですね。英語で言えば、「concentration」となりますが、むしろ「mindful」「careful」という言葉が適当なように思えます。集中するとは、つまり、十分心配りができ、注意深くなることです。そこから、よく気づいたり、深く考えたりすること、また適切な行動も生まれてきます。

 5月はマリア様の月でした。マリア様といえば「感ずべき御母」のご絵を思い出すことでしょう。あの、目を伏し目がちにしておられるマリア様は、眠っておられるわけではないのです。神様に集中しておられるお姿です。心も頭も体も集中して神様に向かうことで神様との深いかかわりに入り、神様の思いに触れることができます。そして、いつでもすぐに神様の思いに応えて行動することができますという意志を、あの「集中力」から感じ取ることができます。

 皆さんの毎日の学習や活動を通して、こうした深い「集中力」を身につけることができますようにと心から願っています。そうすれば、創立者がお考えになった「魂」「知性」「実行力」の三つが揃った豊かな人間として、周りの人も、そして、自分自身も幸せにすることができるのではないでしょうか。



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