小林聖心女子学院ブログ 小林聖心
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5年校外学習

2023年2月7日 小学校

 5年生は2月1日に、社会科の学習に合わせて、三木市にある木材卸売会社へ行きました。先進国では世界でも2番目に多くの森林面積を誇る日本。豊かな森林資源をこれからどのように活用し、また保護していくのか自分なりの考えを持つことが今回の学習の目的です。そこで、木の魅力や木材の使われ方を知るために現地学習に出かけました。

 戦後に多く植林された杉や桧は日本では建築材として最も多く使われています。会社に運び込まれた大きな杉と桧の丸太を見比べ、触ったりにおいをかいだりさせてもらうと、色も重さも香りも全く違うことに驚いた様子でした。その他倉庫では世界から輸入された木材も見せていただき、国産材との違いや普段は壁の中に埋められていてなかなか見ることのできない建築用の材木の大きさを肌で感じることができました。

 後半はインタビュー活動を行いました。「ロシアの軍事侵攻によって木材の輸入にどのような影響があったのか」という世界との関わりから、「自分たちが普段学校で使っている学習机はどのように加工されているのか」という身近な疑問まで幅広く答えていただきました。教室では学べない現場の情報を聞くことができ、林業と自分たちの生活の繋がりを実感する一日となりました。

5年生読書会『若草物語』

2023年1月20日 小学校

5年生は3・4時間目に読書会を開催しました。今年の課題図書は『若草物語』(L.M.オルコット)です。約150年前のアメリカの田舎町を舞台に、四姉妹の日常を描いた世界的ベストセラーです。冬休みに全員が作品を読み、1月の授業で少しずつ準備を進めてきました。

3人グループになり、それぞれが作品を読んで感じた「問い」を出し合い、それに応える形で議論が進みました。5年生が考えた問いは、例えばこんなものです。

・なぜジョーは原稿を燃やしたエイミーを許すことができたのか?
・もし、この物語の主人公が四姉妹じゃなかったら?
・なぜメグはブルックさんのプロポーズを断ったのに気持ちが変わったのか?
・なぜクリスマスの朝食をすべてフンメル家にあげることができたのか?    など

一つ一つの問いについて、特定の場面だけではなく、他の場面と関係づけながら考えを深めていきました。次のように、日々の国語の授業と関連づける考えもありました。

・自分のものを困っている人に分けてあげる行動は、国語の授業で学習したやなせたかしさんの伝記に登場したアンパンマンと似ていると思いました。

今回はワールドカフェという、メンバーを変えながら繰り返し対話を積み重ねる方法で読みを深めていきました。考えたことは目の前の画用紙にどんどん書き出していきます。頭と手と口をフル回転した2時間でした。対話を通して画用紙はあっという間にいっぱいになり、裏面に行くグループがほとんどでした。一人の読書ではたどり着かないところに行けることが、読書会の醍醐味です。

最後に、読書会を終えて、5年生が考えた『若草物語』のキャッチコピーを紹介します。
・貧しくても、心の中の愛で乗り越えていく物語
・一人一人の大切さに気付かせてくれる話
・貧しくても家族の愛があれば毎日が楽しい
・人生は信頼と行動で変わっていく
・貧しいから〇〇ができないではなく、貧しいから〇〇ができるということに気づかせてくれる物語
・受け継がれる母の深い愛情
・貧しい人と幸せを分かち合うことの大切さを学べるお話
・愛と赦し合いであふれている家族
・時代が変わっても家族の愛と友達の大切さは変わらない
・貧しくても心はきれいであることの大切さがわかる話
・自由を望む四姉妹の物語

カトリックの女子校の生徒たちだからこそ、四姉妹たちと、時代も国境も越えて通じ合うものがあったと思います。

5年ソフィー・タイム~聖心Family History報告会「私たちをつなぐもの」~

2022年10月28日 小学校
  5年生は、7月から始まった平和学習の報告会を行いました。
今年はロシアによるウクライナ侵攻もあり、平和について考えることが増えました。
一方、戦後77年目を迎えた日本の戦争について体験を語れる方が減り、記憶は薄れつつあります。
この学習では、歴史として戦争を学ぶのではなく、自分のひいおじいちゃんやひいおばあちゃん、
この学校の先輩たち、言い換えれば自分の「Family」が、戦時中どのように過ごしていたのかを調べてきました。
そして、今の自分がいるのは、その時代を懸命に生き抜いた方々がいたからだということに気づきました。
「Family History」を紐解くことを通して、子どもたちは命のつながりの尊さを強く感じました。
 
4か月にわたるこの学習の中で、子どもたちはたくさんの人とつながりました。
 
7月に、戦時中の本校の様子について教えてくださったシスター景山。
同じく7月、原爆体験者の話を聞く活動を続け、事実を知ることや、昔の人に想いを馳せることの大切さを教えてくださった12年生。
9月、当時の学校生活やマザー、シスターの愛情について教えてくださった26回生の大和幸子さん
10月、宿泊活動で訪れた広島で、40年以上も被爆した米軍捕虜の遺族を探し、真実を伝える活動をつづけた森重昭さん・佳代子さん夫妻。(2016年、広島でオバマ大統領(当時)と抱擁する男性の映像を記憶されている方は多いと思いますが、その男性こそが森重昭さんです。)
同じ広島で、「平和とは、状態ではなく行為です」と教えてくださった大西神父様。
今では、すべての方が自分たちにつながる「Family」だと感じています。
 
さて、今回の報告会では、シスター景山、森さん夫妻、12年生の4名をお迎えして、学習の成果を報告しました。
前半は戦時中の聖心女子学院の様子、戦時中の自分の家族(曾祖父母、祖父母など)の様子、森重昭さんの活動についてまとめたことを発表しました。
 
後半は、森重昭さんから、広島での講話につづいて再びお話を聞かせていただきました。
実は前回のお話を聞いた後、子どもたちが書いた手紙に感銘を受けられ、もっとお話をしたいと言ってくださったのです。
しかも、当初はオンラインでの参加を要請しましたが、森さん本人からぜひ学校に足を運んで話したいと申し出てくださり、わざわざ広島から来校してくださいました。
 
何が森さんの心を動かしたのでしょうか。それは、子どもたちの真摯に学ぶ姿勢です。
そして、その真摯な姿勢は、この学習を通して知った、戦時中を生き抜いた家族や先輩の想い、決して生徒を見捨てなかったマザーやシスターの愛によって生まれてきたのです。
あの戦争を生き抜いた家族、先輩、マザーやシスター方が、80年の時を経て、子どもたちと森さんを強く結びつけてくれたのだと思います。
 
子どもたちの発表を聞いた森さんは、「私も40年以上歴史を調べてきたので分かりますが、みなさんが調べ上げたことはすべて正しい事実です。資料を集めるのは大変だったと思いますが、本当によく調べているなと感心しました。」と褒めてくださいました。
 
私たちをつなぐもの。
それは、時代も国境も越える愛です。平和を願う希望です。
子どもたちが、未来の「Family History」を紡いでくれることを願っています。

第1期StageⅡ生徒会 第1回生徒総会

2022年10月13日

創立100周年の新たな門出に向けて、10月よりStageⅡ生徒会、StageⅢ生徒会が発足しました。今日の6時間目は第1期StageⅡ生徒会 第1回生徒総会が開かれました。講堂に5年生~8年生が集いました。児童・生徒の凛とした雰囲気の中、粛々と会が進行していきました。会場には、これから新しいことが始まっていくのだという高揚感がありました。

 

5年生Field Trip 3日目

2022年10月7日 小学校

最終日を迎えました。今日は周防大島の魅力を味わうための体験活動です。時折り、曇り空から雨粒が落ちてきましたが、どの活動も予定通り行うことができました。

みかん収穫体験では、おいしい果実の見分け方を教わった後、収穫袋を肩からかけ、実を傷つけないように慎重に収穫しました。収穫だけでなく、その場で試食することもでき、どんな実が美味しいのか確かめながらもいでいました。「この大きさがおいしいよ!」「これは弟の分」などと言いながら楽しい時間を過ごしました。最後は自分が収穫した実を袋詰め。26個も詰めた子がいました。

塩作り体験では、塩が人間にとって大切なものであることを教わった後、実際に海水を煮詰めて塩作りをしました。1リットルの海水を火にかけてしばらくすると、とても美しい塩の結晶が出てきました。45分程煮詰めるとたくさんの塩が取れました。水分を飛ばすのは大変でしたが、みんなで力を合わせて作った塩は、また格別なお味でした。

カヌー体験では、カヌーだけでなく、バナナボートやSUPも体験させていただき、周防大島の美しい海とマリンスポーツを堪能させていただきました。水に濡れるのを最初は嫌がっていた子供達も、最後は喜んで水にドボン!海遊びを十分に堪能いたしました。
併せて、水難事故への備えや海洋ゴミの問題など、海の環境についても色々と教えていただき、実り多いひとときとなりました。

その後、合流し、昼食を食べて広島駅へ向かいました。

さて、2泊3日を通して、子供たちは「祈る」ということの意味を改めて考えたことと思います。人とつながればつながるほど、なぜ祈るのかが見えてきます。つながりをもった人、その先につながる人のことを深く想うとき、祈りは本物になっていくのでしょう。

今回の旅を通して見えてきた成長と課題を、来週からの生活につなげていければと思います。支えてくださった方々に、心から感謝いたします。

 

5年生Field Trip 2日目

2022年10月6日 小学校

「あなたは、原爆ドームの前で何を祈りますか?」

これは、この学習が始まった7月に子供たちに最初に投げかけた問いです。その時は、誰に向けて、何を祈ればいいのか分からなかった子供たち。しかし、3ヶ月にわたる学習を経て、たくさんの方々との「つながり」に気づいた今、自分の祈りが見えてきました。この祈りを本物にするために今まで学習してきたといっても過言ではありません。

今朝、原爆ドームの前で、8時15分の鐘の音を合図に始まったお祈り会では、一人ひとりが考えた感謝と決意、希望をこめた祈りを捧げました。自分が何を祈ったのか、ずっと忘れずにいてほしいと思います。

その後、高速艇に乗り込み、平和公園から宮島へと移動。約70年ぶりの大改修中だった大鳥居は、上部のみ工事の幕が取り払われ、美しく輝く姿を見せてくれました。めったに見られない改修工事の姿と新しく生まれ変わった鳥居の両方を見られる、貴重なタイミングとなりました。班ごとに、事前に立てた計画表に沿って、厳島神社、大聖院、五重塔などを巡り、昨日とは違う広島の魅力を味わいました。

昼食後は楽しみにしていたお土産タイム!巧みな呼び込みにも負けず、「お姉ちゃんに二つ買ったよ」「先生、迷って買えません」「残り12円しかありません」などと言いながら、商店街を行ったり来たりしていました。

夕方16時半には「瀬戸内のハワイ」と呼ばれる山口県の周防大島に到着。窓から見えるビーチに感動!入浴後にはレクリエーション係が準備してくれた活動で学年の親睦を深めました。

2日目を終えて、成長と課題が見えてきました。日常とは異なる空間だからこそ、子供たちの真価が問われます。

残り1日、最後まで成長し続けてほしいと思います。

5年生Field Trip 1日目

2022年10月5日 小学校

今日から広島県と山口県をめぐる2泊3日のField Tripが始まりました。

新神戸駅から新幹線で約1時間。あっという間に広島に到着。路面電車に乗り換えて向かった先は、広島平和記念公園。原爆ドーム前で祈りを捧げた後、班ごとに平和記念資料館や慰霊碑、本川小学校などを巡りました。公園内のさまざまな慰霊碑の前に立ち、静かに祈る姿に本校の5年生らしさを感じました。

午後からは、幟町教会に移動して森重昭さんのお話を聞きました。2016年(平成28年)、現職大統領として初めて被爆地・広島を訪問したオバマ大統領(当時)が、慰霊碑の前で一人の日本人男性を抱きしめる映像を記憶されている方は多いと思いますが、その男性こそが森重昭さんです。

森さん自身も小学3年生の時に被曝。辛い体験をされています。37歳の時、原爆で命を落とした人の中に、捕虜となっていた米軍人がいたことを知りました。しかし、そのことについて知っている人はほとんどおらず、名前すら分からない状況。真相を確かめるべく、仕事の傍ら、たった一人で40年以上にわたって調査を続けました。インターネットも携帯電話もない時代、一人一人証言者を探して話を聞き、事実を積み上げていくことがどれほど大変であったかは想像に難くありません。

実はこの捕虜たちの遺族には「広島で行方不明」としか伝えられていませんでした。しかし、森さんは、どうしても亡くなった経緯を遺族に伝えなければならないという強い想いで全員の名前、捕虜になった経緯、亡くなった理由などを調べ上げました。そして、捕虜と同姓同名の人の家族に片っ端から国際電話をかけ、全米から12名全員の遺族を探し当てたのです。家族を想う気持ちに国境も敵味方も関係ないという信念がなしえた奇跡といえます。

そんな森さんに、子供たちからの質問に一つ一つ丁寧に応えていただきました。森さんの言葉を聞き逃すまいと70分間必死にメモをとる姿が印象的でした。ふりかえりでは「『自分の力をどう使うか。人間を生かすために一生懸命になってほしい』という森さんのメッセージが心に残りました」と話していました。

なお、幟町教会への移動途中、森さんの奥様に、森さんが作られた「原爆犠牲者米軍人慰霊碑銘板」を案内していただきました。

お話の後はミサに与りました。大西神父様からは「平和は状態ではなく、行為です」ということを教えていただきました。「戦争のない状態が平和なのではなく、あなたの隣の人に手を差し伸べようとする行為、それこそが平和。毎日平和を作るチャンスがあるのかも知れません」という言葉を聞き、ふりかえりを述べた子供は「私たちの学校の、”Big You, small i.”に似ている」と話していました。身近なこととして平和について考えるきっかけを与えていただきました。

この学習の始まりは7月。77年前、学校のある宝塚市にも空襲があったことを知ることから学習は始まりました。学習を進める中で、マザーやシスター、先輩たち、そして、自分の家族や町の人々、戦場で戦ってくださった方々のおかげで今の自分がある。そして、自分は一人で生きているのではなく、たくさんの「つながり」の中に生きていることに気づき始めた子供たちです。

今日は、さらに森さん夫妻、大西神父様、そして、広島の人々という「つながり」の中で、自分を見つめ直す1日となりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「在校生サイト5年」内の「聖心ファミリーヒストリー」では、これまでの学習の経緯、森重昭さんの活動などを詳しく紹介しています。在校生、保護者の皆様はぜひご覧ください。

https://sites.google.com/oby-sacred-heart.ed.jp/2022grade5/familyhistory

Field Trip 事前学習

2022年9月22日 小学校

5年生は10月5日より広島へ出かけます。
今日は、その事前学習として被爆者である森重昭さんについて学びました。
森重昭さんは、30年以上にわたり原爆で亡くなったアメリカ兵の捕虜に関する研究をされた方です。
原爆死没者慰霊碑の原爆死没者名簿に、そのアメリカ兵の名も連ねるべく活動した森さんの思いについて考えました。

合唱祭~児童鑑賞日~

2022年9月21日 小学校

互いの歌声を直接聴くことができる合唱祭を3年ぶりに開催することができました。第1部1・3・5年生、第2部2・4・6年生が発表し、聴衆のいる講堂に歌声が響きます。コロナ禍でも友達と歌える喜びが溢れる時間となりました。明るい、希望が感じられる歌が多く、各学年それぞれの良さが表れた合唱祭になりました。

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