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丘の学び舎 その56(中高生版)

2020年5月20日 校長室より

中高生の皆さんへ
このところ、キャンパス全体が静まりかえっているせいでしょうか。普段は聞こえていなかったような音が耳に入り、ふと手を休めて聴きいってしまいます。
雨の雫の音、そして、雨粒が葉っぱや屋根や地面に落ちる時の音。風の音も聞こえてきます。ある時にはそよそよと爽やかに、またある時はごうごうと激しい音を立てて。その時々の風を受けて揺れる木の葉の音にもそれぞれの表情があります。そして、鳥のさえずり。これまで、こんなさえずりは聞いたことがないと思う程、様々な鳥のさえずりが、小林の丘一面にこだましています。普段より人の気配が少ないからでしょうか。あちこちからたくさんの鳥が集まってきているように感じます。
自然が醸し出す様々な音を楽しんでいると、わたしの好きな言葉を思い出します。「世界は音」(J・E・ベーレント著、大島かおり訳)という本の中に出てくる「耳の中の神殿」です。耳は、人間の身体の中で、最も早くから機能している器官です。そして、目や口は自分で閉じることができるのに対して、耳は生きている限り自分からは閉じることができない、常に外に向かって開かれた器官です。耳は、世界とつながって、そこに存在するものを認識できるよう、命の始めから終わりまでずっと働き続けているのです。
耳の中に神殿がある。神殿ですから、神様がそこに住んでおられるということでしょう。耳は神様との出会いの場なのです。人間は、聴くことを通して、神様に出会えるのだということを教えてくれています。
皆さんは、この頃、どんな音を聞いていますか。ただ聞くのではなく、聴くという聞き方をしているでしょうか。そして、聴くことを通して、平和や喜びをいただいていますか。おそらく、この緊急事態の中、皆さんの普段の生活においても、これまで気づかなかったような音に出会うことが増えているのではないでしょうか。この機会に、「耳の中の神殿」を見つけることができますように。

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