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丘の学び舎 その82(中高生版)

2020年8月10日 校長室より

中高生の皆さんへ
先週、広島と長崎では、原子爆弾が投下されてから75周年を迎えました。今年の平和記念式典は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、大幅に参列者数を減らしての開催になりましたが、世界で様々な不穏な動きがある中、核兵器の脅威を何としてでも伝えなければという責任を感じます。
今年の8月6日を前に、ふと思い出したことがあります。もう30年程前、小林聖心の中学校の授業で取り上げたNHK特集「夏服の少女たち」という番組です。(今はDVDで見ることができます。)1945年(昭和20年)8月6日、学徒動員の作業中に被爆死した、広島第一高等女学校の1年生(12歳~13歳)220人をめぐるお話です。少女たちの残した日記を辿りながら、アニメーションも交えて、8月6日までの日々が綴られています。戦時中の物が何もない中、少女たちは母親のお古の布を利用して、自らの手で夏服を縫いました。その夏服を身に付けた姿で、一瞬にして命を奪われたのです。親御さんのもとに届けられたのは、無残に焼け焦げボロボロになった夏服だけでした。その後、何十年と形見の夏服を大切に守ることで、幼くして逝った娘を弔い続ける親御さんの姿には、胸に迫るものがありました。
この番組を見た後、NHKにお願いし、当時の小林聖心中学校1年生の書いた手紙を、ご存命の親御さんのもとへ届けていただきました。そして、幾人かの親御さんからお手紙をいただき、交流が生まれたことは忘れることができません。
今回の平和宣言の中で、広島の松井市長は「世界中の人々が核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向けて『連帯』すること」の重要性を訴えるとともに、新型コロナウイルスの脅威を乗り越えるためにも、世界の「連帯」が欠かせないことを強調しておられました。「分断ではなく、連帯を生きること。」これこそ、様々な地球的規模の課題を抱える人類が進むべき道です。「連帯」を選ばなければ、人類存亡の危機さえ招きかねません。
聖心女子学院は、皆さんが「世界の一員としての連帯感と使命感を持って、より良い社会を築くことに貢献する賢明な女性」となるよう願って、教育活動を実践している学校です。自分は将来どんな形で「連帯」を生き、「希望のつくり手(Artisans of Hope)」となっていきたいか、是非、夏休みのゆとりある時間の中で、思い巡らしてみてください。

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