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丘の学び舎 その91

2020年10月12日 校長室より
10月12日 台風一過。今日は、秋晴れのさわやかな日となりそうです。「ロザリオの月」である10月に因んで、先週、中高の朝礼では、ロザリオの祈りについて話しました。ロザリオとは「バラの冠」という意味です。数珠のような珠を繰りながら唱える祈りが、バラの花輪を編んでいくようであることから名づけられました。 ロザリオの祈りはカトリックの一つの信心業で、マリア様やイエス様の生涯の出来事を黙想しながら、「アベマリアの祈り」を繰り返し唱えます。この祈りを完全にしようとすると、「アベマリアの祈り」を150回唱えることになります。一つ一つの球を繰りながら、10回ずつを5回、さらに、それを3回繰り返しますので、150回ということになります。何度も同じ祈りの言葉を繰り返すことで、頭で祈っているというよりは、体に祈りがしみ込んで、祈りと自分が一つになるようです。他の宗教でも、同じような習慣があります。リズミカルな言葉や祈りを何度も繰り返すことによって、言葉が心の深いところに入っていくという経験は、古今東西を問わないのでしょう。 実は、単純なことの繰り返しは、あらゆる生命にとって、とても大事な意味があるのです。日は昇り、また沈みます。波は繰り返し打ち寄せます。心臓の鼓動、呼吸等、すべて繰り返しの中で生命は育まれるのです。 私たちの生活も同じです。児童生徒ならどうでしょう。朝起きて、学校へ来て、授業を受けて、また家に戻り、そして、休みます。食べるという生命を支える営みも繰り返します。単純な日常と違う楽しみも時にはありますが、それはたまにしかないので、楽しみなのです。あとはほとんど変わらない日常の繰り返しです。 しかし、この繰り返しを決して疎かにしてはならないということを、子供達に学んでほしいと思います。人間は、単純な日常を丁寧に繰り返すことで、生命を育み成長することができます。マリア様の生き方は、まさに日常の連続であったに違いありません。その日常生活を通して、神の子イエスの母として、使命を全うする恵みに与ることができたのです。

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