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丘の学び舎 その94

2020年11月2日 校長室より

11月1日
先週は1年生がロザリオヒルで秋探検をしたり、2年生~4年生は校外学習に出かけたりしました。今日は8年生~12年生が校外学習へ、7年生は学校に残り、校舎を独占して、校内探検やグループチャレンジといった交流活動を楽しみます。今年は、例年のようには訪問できない場所がある上、交通手段や食事場所など、様々な感染予防対策が必要ですが、普通の教育活動が普通にできることの喜びを、感じずにはいられません。
私にとっての校外学習といえば、思い出すのは、奈良や京都の神社仏閣を巡った思い出です。関西の子供たちは、日本の歴史や伝統にふれることのできる環境に恵まれていて本当に幸せです。
私の好きなお寺の一つに、例年、10年生が行くことになっている妙心寺があります。臨済宗妙心寺派の大本山で、1337年、花園上皇が自らの離宮を禅寺としたのが起源であるといわれています。見どころがたくさん秘められている妙心寺の中でも、特に古くからある退蔵院の庭園は、絵画的な構成を思わせる大変美しい庭です。座敷から見る眺めは、まるで一枚の襖絵のようです。
この庭園にある「水琴窟」の音色を初めて聴いた時の感動は忘れられません。「水琴窟」とは、蹲(つくばい)の地下に埋められた水がめに滴り落ちる水滴の反響音を楽しむ、日本独自の造園技術です。耳をそばだてると妙なる琴の音のような澄んだ音が聞こえてきます。そばに立て掛けられている竹筒に耳を当てると、より鮮明に聴くことができます。禅寺の静けさの中、鳥のさえずりとともに耳にするその音色は、まるで宇宙のシンフォニーのように、心を浄めてくれます。2003年には、イタリア中部の古都アッシジの聖フランチェスコ大聖堂の中庭に、日本独特の「水琴窟」が奉納され、カトリックと仏教が「水琴窟」の音色を通して出会うことになりました。人の心に染み入る響きは、古今東西を問わないようです。
今年もそれぞれの学年が、それぞれの訪問先で、目にするもの、耳にするものから深く学ぶことができますように。そして、COVID-19でかたまった心と身体を、少しほぐすことのできる一日となりますようにと願っています。

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