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丘の学び舎 その95

2020年11月9日 校長室より
11月9日 朝晩の気温差のせいでしょうか。このところ、小林の丘は一気に紅葉が進んでいます。「みこころ坂」を行き交う方々が、足を止めて、秋を楽しんでくださっている光景をよく目にします。児童生徒は日々変化をする木々の色づきを仰ぎ見ながら、落ち葉舞い散る坂道を上り下りします。小林聖心で学ぶ子供たちの心の中でずっと生き続ける秋の「みこころ坂」です。 ところで、この季節になると、ふと浮かんでくる詩があります。R・M・リルケの「秋」という詩です。この詩を皆様と分かち合いたいと思います。   木の葉が落ちる 落ちる 遠くからのように 大空の遠い園生が枯れたように 木の葉は否定の身ぶりで落ちる
そして夜々には 重たい地球が あらゆる星の群れから 寂寥のなかへ落ちる
われわれはみんな落ちる この手も落ちる ほかをごらん 落下はすべてにあるのだ けれども ただひとり この落下を 限りなくやさしく その両手に支えている者がある  (富士川英郎 訳) 命の不思議さや生きていることの意味を考えることの多い季節。落ち葉のようにやがて落ちいくこの私を、限りなく優しく、そっと受け止めてくださる方の大きな手があることに、心の安らぎを覚えます。 先週、中高では、全校放送で、「死者の月 追悼の祈り」を捧げました。イエス様が約束してくださったように、一人ひとりにとっての永遠の居場所が天の神様のもとにあるということを、このリルケの詩は、確信させてくれます。

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