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校長より
2020.05.07
丘の学び舎 その47(中高生版)

中高生の皆さんへ
連休は終わりました。といっても、あいかわらずSTAY HOMEの日々です。
この数ヶ月、よく耳にするようになった言葉が色々あります。その中に、「安全」「安心」というのがあります。私も、学校からのお知らせ等によく使っています。きっと、私たちが今一番欲しいものが、この「安全」「安心」なのではないでしょうか。そこに出てくる「安」という漢字は、変わったことがなく穏やかで落ち着いている、心配がない、安らかである、という意味で用いられます。確かに、変わったことがないのが一番。思い悩むことなく、安らかでいたいです。「安」が与えてくれる心地よさに、今は特にひかれます。
ところで、キリスト教において、この「安」は「シャローム(平安・平和)」です。復活なさったキリストが、弟子たちの真ん中に立って仰った「あなたがたに平和があるように」(ヨハネによる福音書20:19)という言葉が、信仰の出発点です。イエス・キリストの最高の願いは、私たちが安らかであるようにということなのです。
しかし、このヘブライ語の「シャローム」は、単なる平穏無事を意味するのではありません。戦争とか災難、人間関係のトラブル等、いやなことが何もない状態ではありません。神様から命の息吹をいただいて生きるようになった人間が、神様を信頼し、神様との活き活きとした交わりの中にあることを表しています。さらに、自分だけがいい思いをしていることではなく、神様とのシャロームを生きる人は、様々な困難の中でもシャロームを人々に届け、分かち合う人なのです。「平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる」(マタイによる福音書5:9)とイエス様が仰ったとおりです。
こんな非常事態の中で、「安全」「安心」を願うあまり、独りよがりの「安」で満足することがありませんように。限りなく大きい神様の懐から湧き出る「シャローム」をいただき、その「シャローム」を周りに広げていくことができますように。

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