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校長より
2020.05.25
丘の学び舎 その59(中高生版)

中高生の皆さん
今日は、創立者聖マグダレナ・ソフィアのお祝い日です。オンラインで全校生徒心を合わせてお祈りすることができ、とてもよいひとときでした。聖マグダレナ・ソフィアも現代ならではの方法に感心し、喜んでおられたことでしょう。
ところで、今日の写真は何だかわかりますか。ジョアニーにある聖マグダレナ・ソフィアの生家の一室、10代半ばでパリに行くまでソフィー(聖マグダレナ・ソフィアの愛称)が使っていた部屋の窓です。ソフィーの部屋は、その地方独特の模様の壁紙が美しい、小さな部屋です。壁には兄のルイから贈られた「イエスのみこころ」のご絵が飾ってありました。ソフィーはぶどう畑やお家でよくお手伝いをしましたが、それ以外は、この部屋で一生懸命勉強しました。ルイがソフィーに課したたくさんの勉強に、黙々と取り組んでいたのです。
時々、手を休めては、この窓から外の様子を見ていたことでしょう。この窓の先には、ジョアニーの市庁舎があります。町の中心です。ソフィーが10歳になる5か月前にフランス革命が勃発し、その波は、当然、このジョアニーにも押し寄せてきました。市庁舎あたりの様子からただならぬことが起こっていることを察知し、幼い心を痛めていたに違いありません。ソフィーは革命で混乱する社会を、一部始終、この窓を通して眺めていたのです。
2年前にジョアニーを訪れ、この窓から外を眺めた時、聖マグダレナ・ソフィアにとって社会との接点といえるようなこの窓に、とても心惹かれました。部屋という自分の世界と外の世界をつないでくれる窓です。もちろん、ソフィーの内なる世界、部屋の中心は「イエスのみこころ」です。神様の無限の愛、慈しみの心を余すところなく示してくださった「イエスのみこころ」。その「みこころ」にしっかりとつながりながら、社会と向き合って悲しみや痛みを人々と共にし、自分自身の使命に目覚めていった、そんなソフィーの魂が今もその部屋に生きているようでした。
コロナ禍という歴史的な時を生きている一人として、それぞれの心の窓を通して社会や世界を眺め、自分はどんな生き方に呼ばれているのかを考えてみましょう。きっと聖マグダレナ・ソフィアは、「窓から外を眺めてごらんなさい」と仰っていると思います。

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