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丘の学び舎 その126

2021年6月14日 校長室より

先週は真夏日続きで、熱中症の警戒レベルも上がっていました。感染症と熱中症、両方のリスクを抱えての夏となりそうです。
先週の木曜日、グラウンドでStageⅢの球技大会を観戦していた時のことです。グラウンドと小学校校舎の間のテラスに並んだ、朝顔や夏野菜のポットが目に付きました。小学校1年生が生活科の一環として育てているものです。一つひとつのポットには育て主の名札がついています。1年生が出てきて、一生懸命、自分の朝顔のスケッチを始めました。形や色をよく観察して描いています。もう一つのクラスは、お水やりに出てきました。日差しが強い日でしたので、朝顔も嬉しそうです。小さな袋から肥料を取り出すと、ポットの土の中に、丁寧に散りばめていました。
「これ私の・・・」「〇〇ちゃんの大きいよ」等と、口々に教えてくれます。子供たちは皆、葉っぱの両面を指で触っては、「つるつる」とか「ふわふわ」とか言っています。どうやら、葉っぱに触って、その感触を言葉で表現するのが課題のようです。私も一緒に触ってみました。朝顔の葉っぱをこんな風に触ってみるのは、小学生の時以来です。確かに双葉を触ると「つるつる」しているのですが、本葉を触ってみて驚きました。繊細な毛のようなもので葉っぱの表面が覆われていて、「チクチク」とまではいきませんが、「ざらざら」と「ふわふわ」が混ざったような不思議な感触です。自分の感じていることをそのまま表せる言葉を探すのは、意外と難しいものだと感じさせられました。
あの日感じ取った感触と、表現してみた言葉は、一人ひとりの子供たちの学びの旅において、これからどのように展開されていくのでしょうか。そのことを考えると、教育の無限の可能性と同時に、責任を感じずにはいられません。
1年生の朝顔が並んだテラスの向こうでは、12年生が、2年ぶりの、そして、小林聖心で最後の球技大会を楽しんでいました。あと一年足らずで、それぞれの未来に向かって旅立っていく生徒たちです。1年生の11年後の姿を想像しながら、一日一日、確実に学びを積み重ねていけますようにという願いを込めて、1年生との会話を楽しみました。

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