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丘の学び舎 その172

2022年5月30日 小学校校長室より

いよいよ5月も終わりに近づいてきました。マリア様の月が終わります。小学校では、朝礼で、聖母奉冠式が行われました。子供たちの祈りを花の冠に託してマリア様にお捧げします。
小林聖心の児童生徒は、校内にある数々のマリア像を目にしながら、学校生活を送っています。幼子イエスを抱いておられるマリア様、手を合わせて祈っておられるマリア様等、それぞれのご像に深い意味が込められています。聖堂の中はもちろんのこと、廊下の片隅や、庭のあちらこちらで目にすることで、無意識のうちにマリア様の姿が心に焼き付いていきます。
私の好きな校内のマリア像の一つが、本館講堂裏から高校校舎へ向かうところの廊下突き当り置かれた、彩色木彫のマリア像です。台座には「A.MOORTGAT,DEUTCHLAND」と刻まれており、どうやら、フランドルの彫刻家Achilles Moortgat(1881~1957)の作品ではないかと推測できます。きっと、ドイツ出身のマザー・マイヤーを通して手に入れたご像なのでしょう。小林聖心の本館に聖堂があった時には、聖堂のサンクチュアリー(聖域)の両側にヨセフ像と対になって置かれていたことが、当時の写真からわかります。ヨセフ様の方は、現在の聖堂(1965年竣工)への移転とともに、どこかへ寄贈されたのでしょうか。校内から消えてしまいました。
素朴な雰囲気の衣装を身に付け、頭には布を巻き、ぬくもりを感じさせられるご像です。このご像の前に立つと、真直ぐな澄んだ瞳に吸い込まれそうになります。イエスの母として、すべてを神様に委ねた平安に満ち溢れています。
5月は終わりますが、校内のマリア様は、ずっと子供たちに大切なことを語り続けてくださることでしょう。マリア様のお取次ぎを祈りたいと思います。

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