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丘の学び舎 その134

2023年3月6日 校長室より

先週の金曜日は、雛祭りでした。女の子がいる家庭では、お祝いの食べ物が食卓を飾ったのではないでしょうか。私の思い出は、ちらし寿司にハマグリのお吸い物、そして、桜餅です。

小学校では、例年、雛祭りに三色団子を食べていたのですが、コロナ禍ですっかり途絶えてしまっていました。今年は3年ぶりの三色団子復活です。いつになくキャラキャラと楽しそうな、下校時の1年生に出くわしました。そこで、「今日は、お団子、美味しかった?」と尋ねてみました。一人ひとり、とても嬉しそうに、「美味しかった!」「お家に持って帰って食べる!」「一つだけ残したので、お家で食べる!」などと、思い思いのことを語ってくれました。中には、こんな言葉もありました。「お家で食べるお団子より、ずっと美味しかった!」

お家のお団子も、美味しいに違いないのですが、学校でいただくと、もっと美味しく感じたのでしょう。「そう、きっとみんなで食べたから美味しかったのよ。」と返しておきました。

みんなで同じものを食べると美味しくなる。これは、子どものみならず、人間の経験の原点ともいえるのではないでしょうか。コロナ禍で途絶えていたこうした何気ない喜びが戻ってきたことがとても嬉しくなりました。

ケラケラ笑いながら、楽しくてたまらないという表情で友達と帰っていく一年生を見送りながら、一緒に食べたお団子の美味しさを忘れないようにと、思わず祈る気持ちになりました。いい雛祭りでした。

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