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フィリピン体験学習だより 第7日目

2019年7月30日 高等学校

7日目を迎えました。今日は、様々なレベルからフィリピンの「今」にアプローチする取り組みについて学びました。

まず訪れたのは日本大使館です。外交官として活躍されているお二人から外交官の仕事について説明を受けた後、生徒たちの質問に答えていただきました。

「外交官を志したきっかけは何か」「求められる資質は何か」「自分の考えと政府の考えが異なることはないのか」など外交官という仕事に関するものから、「日本にしかできないことは何か」「フィリピン政府は貧困をどう考えているのか」など外交官から見た現状に関するものまで、質問は多岐にわたりましたが一つひとつ丁寧にわかりやすく答えてくださいました。

「外交においては、日本の立場を主張するだけではなく、まず相手を知り、相手の立場から考えることが何よりも大切。それは普段の生活でも同じです。」と教えていただきました。政府レベルのアプローチと言えども交渉するのは人と人です。外交官の方々の人柄と日々の努力が、日本とフィリピンをつないでくださっていることを初めて知ることができました。

午後からはJICA(独立行政法人国際協力機構)フィリピン事務所を訪問。日本のODA(政府開発援助)を実際の現場で実施する方々の取り組みを教えていただきました。地球規模の課題が増え、国と国の相互依存がますます強まる中で、日本さえよければいいと考えるのではなく、関わり合う国々の安定を図ることが、日本にとっても相手の国にとっても利益になることを学びました。組織の概要を伺った後、経験豊かな4名の職員の方々を囲んで具体的な体験談を聞かせていただきました。体験談を聞きながら、自分の将来について相談する生徒の姿も見られました。

夕方、ローズさんというフィリピン人女性に会いに行きました。彼女は「GKonomics」という団体を設立し、貧困のために社会から取り残された人々の自立を支援しています。また、彼女の理念に賛同する社会起業家たちのサポートも行っています。

かつてローズさんは、アメリカ合衆国初のフィリピン人女性判事となり、まさにアメリカンドリームをつかんでいました。しかし、ある時「夢を描くことさえできない人たちのために働くように」という神の呼びかけを感じ、判事を辞め、家や車を売り払いこの活動を始めました。そして、貧困に喘ぐ人々のための仕事を作り、社会の経済活動の中に彼らを取り込むシステムを作ったのです。

ローズさんはこう語ります。「私の周囲には『人生を無駄にしたね』と言ってくる人もいます。でも、私は社会正義のために働くことで、神の仕事を手伝っていると思っています。そして、神の祝福を受けていることを感じています。」と。

人のためにできることはあっても、すべてを捨て、人のために生きることは難しいことです。ローズさんの生き方から、改めて幸せとは何か、自分はどう生きていくべきかを考えさせられました。

日本の企業から研修制度を利用してローズさんの事業に参画している藤崎さんとの出会い、また、フィリピンの伝統文化を生かした鞄作りを通して約360世帯の仕事を生み出しているAKABAという会社を設立したフィリピン人社会起業家EJさんの話も、生徒たちの視野を広げる興味深いものでした。

日本大使館の外交官の方々やJICA職員の方々、そしてローズさん。今日出会った方々は、それぞれの立場からフィリピンの「今」にアプローチされています。生徒たちは、世界と自分とのつながり方について今までにない多様な可能性を感じたことと思います。

     

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