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校長より
2020.06.11
丘の学び舎 その72(中高生版)

中高生の皆さんへ
いよいよ梅雨入りが宣言され、しばらく雨とのお付き合いが続きます。特に今年は、日本中どの地域も、豪雨の被害だけは免れますようにと、祈るばかりです。学校では分散登校が始まり、校内に皆さんの姿があるという日常が、なんとも嬉しい日々です。
昨日6月10日は「時の記念日」でした。671年、天智天皇が水時計を設置し、太鼓や鐘で時を告げたことを記念しています。その日が、グレゴリオ暦(太陽暦)にすると6月10日で、しかも、今年2020年は「時の記念日」が制定されてからちょうど100年ということになるのだそうです。
水時計で時の流れを測定し太鼓や鐘で時を告げていた時代から、今や、時を計る方法はすっかりデジタル化し、数字で表示される時間が一般的なのではないでしょうか。長針と短針で表される時計すら、ほとんど馴染みのない世代が増えてきているようにも思います。こうした変化を見るだけでも、時の感じ方というのは、時代によってずいぶん変わってきているに違いないと、「時の記念日」に改めて感じさせられます。
新約聖書の世界では、ギリシア語に基づく発想で、時計で計ることができるような、過去から未来へ機械的に流れる客観的な時を「クロノス」、そして、時計で計ることができず、それぞれの人に意味があるような、質的で内面的な時を「カイロス」と呼んで区別しています。日本人の感覚ではそのように使い分けることはありませんが、日常的に経験している時間の中に、たとえ瞬間的であったとしても、自分にとって大切な意味のある時があったということは、なんとなく想像できるのではないでしょうか。もちろん「永遠」という神様の時も時計では計ることができません。
新型コロナと共に生きていかなければならないこの時代。時計で計れる時間の中で、来週はどうなっているか、いつまでこの状況がつづくのかと、あくせくする日々です。でもそんな時間を超えて、「永遠」という時に思いを馳せてみてほしいと思います。私たちの命はすでに神様と共に永遠という時を生きているのですから。

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