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丘の学び舎 その120

2021年5月3日 校長室より

4月30日、5月1日は、中高の学院祭でした。といっても三密を避けなければならない状況ですので、オンラインとリアルを並行して行われました。小林聖心始まって以来、初めての、オンライン学院祭です。もちろん、人が集まって、「リアル」に見たり聞いたりできるにこしたことはありません。しかし、生徒たちの創意工夫とエネルギーで実現したオンラインは見事でした。スクリーンの奥には、無限の可能性が広がっているようでした。ICTの技術はもとより、中身の豊かさに、感心させられました。
今年、コミティが掲げたモットー「Reaction」には、「反応すること」と「再び行動すること」の二つの意味が込められています。創立100周年を目前に控え、小林聖心の生徒としてのあるべき姿に向かって応えること。また、コロナの体験を踏まえて再び立ち上がり、行動したい、という思いを表現しています。この、反応したり、再び行動したりするために大事なことは、そもそも何かの呼びかけがあるということでしょう。生徒たちはいったい何に応えて行動しようとしているのかを見つけたいと考えていました。そして、学院祭が終わった今、わかってきました。「希望のつくり手でありなさい」という神様からの呼びかけに、生徒は応えていたのです。コロナ禍にあって、思い通りにできないことが多々ある中、クラブ、企画、教科等の発表の中で、今できることに喜びを感じながら創造的に表現しようとしたこと。そこには希望があふれていました。未来を拓く子供たちの姿が見えてきました。
昨年、学院祭の中止を、涙を呑んで受け止めた93回生。その生徒たちが実現できなかった「sprout」(芽を出す、新芽)というモットーを思い出します。昨年があって、今年がある。今年のコミティは、昨年の生徒の無念さも引き受けて、新しい命の芽を生えさせたくれたのではないでしょうか。まさに小林聖心98年の歴史の1ページに残る学院祭でした。

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