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丘の学び舎 その146

2021年11月1日 校長室より

早いもので、今日から11月です。穏やかな秋晴れが続きそうです。9月13日付の「丘の学び舎」その139で、最初の一輪のコスモスを紹介しました。あれから1か月半。コスモス畑では、数えきれないほどの三色の花が優しく風に揺られています。子供たちは登校時も下校時もコスモスの前に佇み、花びらをそっと撫でたりしています。「なんだか桜の花びらみたい」と誰かがささやきました。なるほど、コスモスを漢字で書くと「秋桜」。和名は「秋桜(あきざくら)」です。
「コスモス」の語源は、ギリシャ語の「kosmos」に由来するのだそうです。普段何気なくコスモスと呼んでいますが、実はとても意味深い名前なのです。ギリシャ語のコスモスは、統一され、調和のとれたシステムとしての「宇宙」を意味します。「秩序」「美しい」「調和」という意味もあります。宇宙と花。特に、このコスモスの花を「宇宙」と名付けたのは何故なのでしょう。一輪の花に、秩序だった宇宙が映し出されているのでしょうか。整然と群れになって咲いている様子が、秩序だった宇宙のシステムのように見えたのでしょうか。想像は膨らみます。確かにコスモス畑の前を通りかかると、調和のとれた美しい世界に足を踏み入れたような感覚を覚え、思わず立ち止まってしまいます。
11月は教会では「死者の月」と呼ばれ、天の御国におられる今は亡き方々のことを偲んで祈る月です。学校でも、生徒一同心を合わせ、学校の恩人やそれぞれの親しかった方、家族の方々のことを思い起こして追悼の祈りを捧げます。
天の御国は、コスモス畑のような調和のとれた美しい世界なのかもしれません。「わたしの父の家には住むところがたくさんある。あなたがたのために場所を用意したら、戻って来て、あなたがたを私のもとに迎える。こうして、私のいる所に、あなたがたもいることになる。」(ヨハネ14章2,3)とイエス様が教えてくださった場所は、平和と喜びに満ちた永遠の住まいです。コスモス畑を眺めていると、そんな永遠の住まいを見る思いがしてきました。

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