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小学校
2022.10.28
5年ソフィー・タイム~聖心Family History報告会「私たちをつなぐもの」~
  5年生は、7月から始まった平和学習の報告会を行いました。
今年はロシアによるウクライナ侵攻もあり、平和について考えることが増えました。
一方、戦後77年目を迎えた日本の戦争について体験を語れる方が減り、記憶は薄れつつあります。
この学習では、歴史として戦争を学ぶのではなく、自分のひいおじいちゃんやひいおばあちゃん、
この学校の先輩たち、言い換えれば自分の「Family」が、戦時中どのように過ごしていたのかを調べてきました。
そして、今の自分がいるのは、その時代を懸命に生き抜いた方々がいたからだということに気づきました。
「Family History」を紐解くことを通して、子どもたちは命のつながりの尊さを強く感じました。
 
4か月にわたるこの学習の中で、子どもたちはたくさんの人とつながりました。
 
7月に、戦時中の本校の様子について教えてくださったシスター景山。
同じく7月、原爆体験者の話を聞く活動を続け、事実を知ることや、昔の人に想いを馳せることの大切さを教えてくださった12年生。
9月、当時の学校生活やマザー、シスターの愛情について教えてくださった26回生の大和幸子さん
10月、宿泊活動で訪れた広島で、40年以上も被爆した米軍捕虜の遺族を探し、真実を伝える活動をつづけた森重昭さん・佳代子さん夫妻。(2016年、広島でオバマ大統領(当時)と抱擁する男性の映像を記憶されている方は多いと思いますが、その男性こそが森重昭さんです。)
同じ広島で、「平和とは、状態ではなく行為です」と教えてくださった大西神父様。
今では、すべての方が自分たちにつながる「Family」だと感じています。
 
さて、今回の報告会では、シスター景山、森さん夫妻、12年生の4名をお迎えして、学習の成果を報告しました。
前半は戦時中の聖心女子学院の様子、戦時中の自分の家族(曾祖父母、祖父母など)の様子、森重昭さんの活動についてまとめたことを発表しました。
 
後半は、森重昭さんから、広島での講話につづいて再びお話を聞かせていただきました。
実は前回のお話を聞いた後、子どもたちが書いた手紙に感銘を受けられ、もっとお話をしたいと言ってくださったのです。
しかも、当初はオンラインでの参加を要請しましたが、森さん本人からぜひ学校に足を運んで話したいと申し出てくださり、わざわざ広島から来校してくださいました。
 
何が森さんの心を動かしたのでしょうか。それは、子どもたちの真摯に学ぶ姿勢です。
そして、その真摯な姿勢は、この学習を通して知った、戦時中を生き抜いた家族や先輩の想い、決して生徒を見捨てなかったマザーやシスターの愛によって生まれてきたのです。
あの戦争を生き抜いた家族、先輩、マザーやシスター方が、80年の時を経て、子どもたちと森さんを強く結びつけてくれたのだと思います。
 
子どもたちの発表を聞いた森さんは、「私も40年以上歴史を調べてきたので分かりますが、みなさんが調べ上げたことはすべて正しい事実です。資料を集めるのは大変だったと思いますが、本当によく調べているなと感心しました。」と褒めてくださいました。
 
私たちをつなぐもの。
それは、時代も国境も越える愛です。平和を願う希望です。
子どもたちが、未来の「Family History」を紡いでくれることを願っています。
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