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校長より
2022.11.21
丘の学び舎 その122

先週の金曜日、小学校、中高とも、朝礼で、聖フィリピン・デュシェーンのお祝いをしました。聖心女子学院で2番目の聖人です。49歳で未知の国アメリカに渡り、フランスで始まった聖心女子学院を、世界に広げる先駆けとなりました。やがて、北米から、南米へ、そしてオーストラリア、日本へと、シスターたちが海を越えていきました。
今でも、アメリカ西部開拓の拠点であったセントルイスの博物館では、開拓者のリスト最上段にフィリピン・デュシェーンの名前を見出すことができます。開拓に携わった女性です。しかし、本当のフィリピンの偉大さは、70歳を過ぎてから、念願のポトワトミ族(アメリカ先住民族)の居留地に赴き、彼らと生活を共にしたことです。いったい何がフィリピンの心を動かしていたのでしょうか。
今年度の学校目標、「Courage and Confidence」は、まさに聖フィリピン・デュシェーン生き方を表しています。フィリピンにとっての「勇気」とは「越えていく」ことだ、という話を中高生にしました。
フランス革命で人生の方向が覆されたにもかかわらず、新しい生き方へと一歩を踏み出していったこと。大西洋の荒波を越えて、自分の慣れ親しんだ文化や環境、言語を越えて、全く未知の世界へと入っていったこと。思い通りに物事が進まないことや、日々の苦労を乗り越えて、ひたすらみこころの愛を伝えようとしたこと。そして、長い間待ち続けて、ようやく念願のポトワトミの地へと赴き、言葉もわからず、役にも立てないという無力感を越えて、祈ることを通して、ポトワトミの人々に神様の愛を伝えたこと等。一つ一つ、乗り越えることの連続でした。
この勇気を支えたのは、神様への深い信頼、神様が自分を遣わしてくださっているということへの限りない信頼以外の何物でもありません。この聖フィリピン・デュシェーンの「Courage and Confidence」に私たちも与れますように。

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