小林聖心女子学院ブログ 小林聖心
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丘の学び舎 その115

2021年3月29日 校長室より

3月もいよいよ残すところ僅かとなりました。ただ3月が終わるというだけではなく、学校の歴史に残る2020年度が終わります。先週末、満開となったロザリオヒルの桜は、昨日の雨ですっかり精彩を失くした感があります。かつては桜といえば入学式という感じでしたが、昨今は、3月末に開花してしまいますので、桜は別れの季節の花のようにも思えてきます。はかなさゆえに美しい桜とともに、学校も別れの季節から出会いの季節へ向かっていこうとしています。
先週の土曜日、学院挙げてのオープンスクールが行われました。昨年度は、新型コロナの影響でオープンスクールが中止となりましたので、2年ぶりの開催です。幼稚園から小学校6年生までの子供たちと保護者の皆様を一堂にお迎えしました。温かな春の光に包まれ、色とりどりの花が咲き乱れるキャンパスで過ごしていただけたことが、何よりでした。
小中高が一つになって学校紹介ができるということは、まさに小林聖心が一つの家庭(home)であることの象徴のようです。1年生~12年生、小中高という12年間の全体像を垣間見ていただくことができるからです。12年間の年齢幅がある児童生徒が同じキャンパスで育つからこそ、様々な出会いがあり、学年を超えた学びが生まれます。小学生の頃、下校途中で困っていたら高校生のお姉さんが声をかけてくれて一緒に帰ったこと。助けた方も助けてもらった方も、一生忘れられない思い出となります。校内で出会ったお姉さんの姿を見ながら、私もあのようになりたいと憧れ、目標を持って努力します。女の子の成長には、この憧れがとても重要な意味を持ちます。同じ制服を身に付け、同じ空気を吸って、様々な出会いを体験する学び舎は、子供たち一人ひとりにとってかけがえのない成長の場です。
関西圏で急激に新規感染者数が増えてきているのが気がかりな学年初めですが、また、新しいドラマが生まれることでしょう。今年度、味わった「何といっても、学校は、子供たちが集まって、顔と顔を合わせて学ぶところ」という実感を大切にしながら、新学年度を迎えたいと思います。

ロザリオヒルの桜

修学旅行五日目

2021年3月25日 高等学校

修学旅行最終日となった25日は、朝ホテルを出発後、日本26聖人記念館を訪問、桜が満開となった西坂の丘で、聖人たちの厚い信仰と神への愛について改めて思いを致す時となりました。そしてバスで博多へ移動、5日間過ごした九州の地を後に新幹線に乗り、夕方無事に新大阪に帰着しました。

新型コロナウイルス感染症への不安と混乱の中で行われた今回の修学旅行は、これまでとは異なる対応を余儀なくされ、様々な制約と我慢を求められる毎日でしたが、生徒たちは指示をよく守り、互いに声を掛け合いながら、皆元気に、すべての行程を無事に終えることができました。ここまで支えて下さった多くの方々に感謝いたします。

4月からは一回り成長した姿で、最高学年として学校全体を引っ張っていってくれることを期待したいと思います。そして、“Be an effective instrument of peace”~平和の作り手となるために~という修学旅行のテーマに込められた思いを、一人一人が実践していけますように。

 

修学旅行四日目

2021年3月24日 高等学校

修学旅行四日目の今日は、午前中は3つのグループに分かれての研修を行いました。聖母の騎士修道院コースでは、コルベ記念館やルルドの見学、外海コースは、遠藤周作記念館、旧出津救助院、出津教会、黒崎教会を巡り、長崎歴史文化博物館コースは博物館を見学し、それぞれの場所で信仰や殉教、歴史や文化について学びを深めました。

午後からは班別の自主研修の時間。班ごとに計画した日程に従って、春の暖かさの中、地図を片手に路面電車に乗ったり、歩いたりと、それぞれに長崎の街を満喫したようです。夕方、ホテルに帰ってきた生徒たちの手にはいっぱいのお土産が、そしてその表情には満足そうな笑顔が溢れていました。

そして夕食後、修学旅行の締めくくりとして大浦天主堂での「み言葉の祭儀」に与りました。感染症対策のため、例年のようにごミサは出来ませんでしたが、世界宗教史上の奇跡と言われた信徒発見の舞台、また世界遺産でもある天主堂で、皆で心を合わせ、静かに祈る機会がもてたことは、この修学旅行の思い出として生徒たちの心に永く残る体験となったことでしょう。

 

 

 

修学旅行三日目

2021年3月23日 高等学校

折り返し点を迎えた修学旅行。23日は二日間お世話になった天草に別れを告げ、フェリーで島原半島に渡り、長崎市に入りました。

長崎ではまず浦上天主堂を訪問、被爆マリア像を見学しました。神父様からのお話を伺って、迫害と被爆という二つの悲しみをもつ浦上の過去に思いを馳せ、この地で流された多くの人々の血と涙と汗を決して忘れてはいけないと心に刻みました。

そして、その後の被爆体験講話と原爆資料館の見学では、改めて原爆の恐ろしさや戦争の愚かさについて考えさせられました。特に実際に原爆を体験された講師の方からの「平和って何ですか?」という問いは生徒たちの心に染みるものだったようです。

移動や見学の多い日程でしたが、最後に平和公園を散策して、夕方無事にホテルに到着しました。

 

 

修学旅行二日目

2021年3月22日 高等学校

修学旅行2日目、午前中のハイライトは生徒たちが楽しみにしていたイルカウォッチング。昨夜からの強風や高波も収まり、群れになって泳ぐバンドウイルカを間近に見ることが出来て、皆大喜びでした。

午後からは、隠れキリシタンの里に立ち「山の天主堂」として知られる大江天主堂と、世界遺産である崎津集落にひっそりと佇む「海の天主堂」、崎津天主堂を訪れ、祈りのひと時をもちました。キリスト教伝来以来の450年余りの年月、厳しい迫害や弾圧の中で信仰を守り抜いた人々の思いが今に繋がっていることを肌で感じた体験となりました。

温暖な天草にしては肌寒い一日でしたが、90名皆元気に天草の自然や文化、食事を堪能し、学びを深めることができました。感染症対策にも気を配り、食事中の沈黙もよく守り、11年生らしく行動できています。明日からは長崎に入ります。さらに緊張感を持ちつつ、楽しみたいと思います。

 

丘の学び舎 その114

2021年3月22日 校長室より

全国的に例年より早い桜の開花を迎えています。ロザリオヒルの桜も、すでに五分咲きといったところでしょうか。春の嵐で散ってしまいませんように。少しでも長く楽しませてほしいものです。
学校では、先週、小学校と中学校の卒業式が終わり、終業の日を迎えました。本当に色々なことがあった一年でした。まだまだ過去形にできない状況が続き、リバウンドが心配される中、新学年度に向かっていきます。
終業の日、中学生と高校生には、放送を通してお話しました。この一年、コロナ禍にもかかわらず無事に過ごせたこと。生徒も先生も創造力を働かせ、できる限り工夫しながら、一緒に学校生活を創り上げることができたことへの感謝を伝えました。そして、こんな投げかけをしました。「今回のコロナの経験がなかったのであればどんなによかったかしら、と思うことはしばしばです。しかし、この経験をただいやなもので終わらせるのではなく、意味あるものにしていく力は、私たち人間に残されています。この経験を意味あるものにできるかどうかということは、私たちがこの経験から何を学ぶことができるか、ということにかかっていると思います。春休み少しゆっくりとした時間を過ごす中で、自分はこの一年の経験から何を学んだのかということを、是非、思いめぐらしてみてください。」と。
この日の夕方、一人の8年生からの感謝の手紙が校長室に届きました。「休校の後、少しずつ学校生活は戻ってきたものの、この一年は日常が非日常と化し、通常とは程遠い、1年前に自分たちが思っていたものとは全く違う学校生活になりました。」しかし、「『非』日常であるからこそ日常では気づくことのできない物事にたくさん気づくことができた1年だったと思います。」と綴られていました。中でも一番大きな気づきは、「一日一日を丁寧に過ごす」ということだったそうです。8年生の深い気づきに感銘を覚えずにはいられませんでした。
このような気持ちで一年を終えようとしている生徒がいることはとても嬉しいですし、きっとどの生徒も一人ひとり、何かを学んで成長した一年だったことでしょう。子供たちのさらなる成長を心から楽しみにしながら、新学年度に向けて準備していきたいと思います。

 

 

中学校卒業式

修学旅行一日目

2021年3月21日 高等学校

11年生の修学旅行が始まりました。

初日の今日は、新大阪から九州新幹線で熊本へ。その後は有明海を車窓に望みながらバスで天草へ移動して、最初の訪問先である天草キリシタン館で天草・島原の乱や天草のキリスト教の歴史について学んだ後、夕方無事にホテルに入りました。出発時はあいにくの雨でしたが、天草諸島に着く頃には雲の切れ間から陽も射し始め、満開の桜が出迎えてくれました。

コロナ禍で多くの行事が中止となる中、ようやく実施できた修学旅行に生徒たちは笑顔いっぱい、皆とても嬉しそうです。高校生活の良き思い出となるよう、感染症対策を万全にして、全員元気に5日間を過ごしたいと思います。

 

卒業式を行いました

2021年3月16日 小学校

本日、小学校の卒業式が行われました。
小林聖心の卒業式は、厳かに行われます。
保護者と職員が見守る中、エルガーの「威風堂々」に合わせて入場した卒業生は、背筋を立てて着席します。証書授与の呼名に「はい」と答えて立ち上がる目は、段上の校長先生をしっかりと見つめています。決められたタイミングと所作をきちんと守って、一人ひとりが証書を手にしました。
たくさんの感謝を胸に、卒業の祈りの最後はこのように締めくくられました。

神様、あなたの慈しみの中で、私たちが出会い、共に学ぶことができたことに感謝します。
今日、小学校を卒業する私たちが、これからどんな困難にぶつかっても、たくさんの方からいただいた愛を心に刻み、「希望のつくり手」となれるように、いつも私たちをお導きください。

丘の学び舎 その113

2021年3月15日 校長室より

3月も半ばを迎えました。いつもこの頃になると、小学校からたくさんの手紙が届きます。一年の感謝を伝える小学生の手紙です。先週の金曜日、児童会の代表が校長室に届けに来てくれました。感謝の花束や私と思しき人物がイラストとして描かれている一枚一枚を眺めながら、今年も楽しみに読ませていただきました。子供たちの表現力にはいつも感心させられます。思わず笑えてきたり、ジーンと胸が熱くなったりして、感謝されるどころか、こちらが元気をもらって、「ありがとう」といいたくなる手紙です。
今年は、コロナのことがあったからでしょう。「私たちが健康で安全に過ごせるよう祈ってくださってありがとうございました。」という感謝をたくさんもらいました。「いつも学校のために、私たちの知らないところで働いていてくださって、ありがとうございます。」とか、高学年の児童からは、「感染症対策やどうすれば行事などを開催できるかを考えてくださって、ありがとうございました。」というような言葉もありました。私としては務めを果たせていたということでしょうか。「これからも学校をよろしくしくお願いします。」と締めくくられている手紙の数々。小さい子供たちは「これからもがんばってください。」と励ましてくれます。
今年度も残り少なくなってきました。この一年、コロナに翻弄される日々、神様が私たちと共にいてくださったことを感謝します。不安の多い社会、色々な制約がある中で、児童・生徒にはできる限り安全、かつ、豊かな一年を送ってほしいという思いで努めてきました。学校で仲間と出会い、一緒に学ぶことの喜びを知った一年であることは確かでしょう。まだまだ「コロナと共に」は続きますが、こうした時代の中で、小中高生一人ひとりがしっかりと地に足をつけて学び、希望を持って前に進んでいけるよう、先生方と共に力を尽くしていきたいと思います。そして、何よりも、児童・生徒の幸せと成長を、祈り続けたいと思います。

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