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校長より
2020.05.19
丘の学び舎 その55(中高生版)

中高生の皆さん
先日、ローマの聖心会本部で働いておられるシスター有田から、オンラインの大合唱が添付されたメールが届きました。50人を超える方々が異なる場所で歌っておられて、画面いっぱいにそれぞれの方のお顔がアレンジされています。歌はフィリピンの聖歌「pananagutanパナナグータン(責任)」です。この歌はフィリピン体験学習のテーマソングともいうべき歌で、フィリピン滞在中、参加者はいつでもどこでも、集まると歌っています。そして、卒業後も、参加者の集いをすると、必ず皆で一緒に歌うことになります。私を喜ばせようと分かち合ってくださったシスター有田のお心遣いに感謝します。
ところで、この聖歌のタイトルの「責任」ですが、日本語で聞くと何か不思議な感じがするかもしれません。しかし、フィリピンのカトリック教会では、とてもポピュラーです。そこに込められているのは、私たちはお互いに対して責任があるということです。苦しんでいる人、助けを求めている人を見て見ぬふりをするのではなく、またそうした人々の置かれている社会の状況に関心を持ち、自分にできる形で助けとなって、少しでもよい状況に変えられるよう力を尽くすことです。
責任は英語では「responsibility」。「果たすべき務め」という日本語の意味合いよりは、「response+ability」、すなわち応答能力ということです。「応答する」というからには、呼びかけがあるということですね。私たちの周りで起こっていることを通して、神様は一人ひとりに呼びかけておられます。見て、聞いて、その相手や状況と対話して、そこから生まれてくる気づき、そこに神様からの呼びかけが込められているのだと思います。その呼びかけが聞こえたら、どのように応えましょうか。自分にできることは何でしょう。今、自分は何をして応えたいでしょうか。
今回の新型コロナウィルスをめぐる事態は、人類全体への神様からの呼びかけだと思います。私たち一人ひとり、責任をもって応えていけますように。

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