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校長より
2020.05.28
丘の学び舎 その62(中高生版)

中高生の皆さんへ
5月はマリア様の月でした。新緑の美しい季節、マリア様の心を感じて過ごしましたか。今日と明日、5月の最後は、マリア様の話で締めくくりたいと思います。
小林聖心の校内には、至る所にマリア様のご絵やご像が飾られていますので、皆さんそれぞれお気に入りのマリア様があることと思います。今日紹介したいのは、教皇フランシスコが若い頃から深い信心をお持ちの、「結び目を解くマリア」というご絵です。
向かって右側の天使が、たくさんの結び目があるリボンをマリア様に差し出し、マリア様の手の中で結び目が解かれていくと、今度は左側の天使が結び目の解けたリボンを受け取っているという絵です。これまでたくさんの聖母にまつわる芸術作品を見てきましたが、この絵を初めて見た時には、そこから醸し出されるメッセージに深い感動を覚えずにはいられませんでした。マリア様は、まさにこの絵のような方なのです!
人間がつくる社会はいつの時代も複雑な問題を抱え、個人は個人で、悩みや苦しみのない人はいないでしょう。生きるということには、必ずこのリボンの結び目のような難しいことがつきまとうものです。そして、私たちはそれらを何とか解こうと必死になってもがいているのです。うまく解ける結び目も、硬くてなかなか解けない結び目もあります。解こうとすればするほど、もっと複雑に絡み合ってしまう場合もあります。一つ解き終わったと思うと、また次の結び目がやってくる。そんな連続でもあります。
自分の人生の様々な結び目を、一人で何とかしようとするのではなく、マリア様の手にお任せしなさいと、この絵は教えてくれているようです。「マリア様、助けてください。」とお願いしましょう。マリア様は喜んで応えてくださいます。そして、「そのたくさんの結び目のあるリボンを貸してごらんなさい。」と仰って、するすると解いてくださるのではないでしょうか。
今、世界が抱える大きな結び目、「コロナ禍」のことをマリア様に委ねながら、5月を終えていきたいと思います。

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