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校長より
2021.01.11
丘の学び舎 その104

感染症拡大第三波の勢いが、増加の一途を辿っています。その上、日本列島は記録的な寒波に見舞われています。大雪の被害に関する情報が各地から届き、胸が痛みます。1月17日もやってきます。阪神淡路大震災から、26年目。2021年は、気持ちも塞ぎがちなスタートです。
学校は先週から始まりました。子供たちが息を切らしながら坂道を登ってくる姿は、元気そのものです。新しい学校生活への好奇心に満ちています。子供たちから元気をもらって、私も新しい年の学校生活を始めました。入学試験のシーズンもやってきます。今回から新たに始まる大学入学共通テスト、そして、中学校、高等学校の入学試験を間近に控えた全国の受験生にとっては、例年にも増す緊張感の中での試験となります。無事に終わりますようにと祈らずにはいられません。
カトリック教会では、昨年の12月8日からの1年間を、「ヨセフ年」と定めています。イエスを育てた父、聖ヨセフが教会の保護者として宣言されてから150年を迎えることを記念して定められた「ヨセフ年」です。このパンデミックの渦中、聖ヨセフを思い起こして祈ることは、とても意義深いと改めて感じさせられます。
聖ヨセフは教会において、聖マリアほど脚光を浴びることはありません。しかし、実際のところ、ヨセフの存在なくして、マリアが神の子の母となるという救いのみわざは成就しませんでした。イエスは日常生活において、天の御父の愛をかたどる人間の父の愛を、ヨセフから学ばれたはずです。ヨセフは、優しく愛情深く、日々の困難を耐え忍びながら慎ましく誠実に生きた人です。創造的な勇気を持ち合わせていたことも、聖書から垣間見ることができます。マタイによる福音書では、「正しい人」という最高の表現で、ヨセフの人間性を伝えています。「普通の人」として、誠実に生きたがゆえに「聖なる人」となった「聖ヨセフ」を、この一年、模範として仰いでいきたいと思います。制約の多いコロナと共に生きる日々、地に足をつけ、希望をもって生きるために大切なことを、教えてくださることでしょう。

ムリリョ「小鳥のいる聖家族」

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