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校長より
2021.02.01
丘の学び舎 その107

「1月は行く」「2月は逃げる」「3月は去る」とはよくいったものです。お正月から、もう一か月が過ぎました。飛ぶように、毎日が過ぎていきます。今日から2月。2月といえば節分です。節分は季節の分かれ目、節目という意味ですので、冷たい風の中にも、春がゆっくりと近づいてきているのでしょう。このところの明るい光は新型コロナで疲れた心を、ほっとさせてくれます。
学校も、一年の学習内容が終わりに近づいてきています。今年度は、いろいろと活動が制限されたり、変更されたりしましたが、どの学年も読書会は取り組むことができました。先週行われた小学校での読書会を最後に、小中高ですべての読書会が終わりました。
小林聖心の児童生徒は、読書が大好きです。それは図書館を見ればよくわかります。中高の学習センターには10万冊を超える蔵書が、そして、小学校のソフィー・センターには、3万2千冊の蔵書があります。現在は密にならないように工夫していますが、休み時間ともなると、図書館は子供たちでいつも満員。いい本はないかしらと本棚を見つめる子供たちの目は、真剣そのものです。読書教育は、220年前のフランスでの創立以来、聖心女子学院が大切にしている教育の一つです。
「見える学力、見えない学力」の著書で有名な岸本裕史先生は、「見えない学力」の代表として、読書教育を挙げておられます。「見える学力」を伸ばすには、それを支える「見えない学力」が大切です。その見えない学力の核心は言語能力であり、読書は豊かな言語能力を養うために欠かせません。読書を通して、語彙を豊かにし、論理的思考力や豊かな想像力を培うことができます。また、言語の使い方の、正誤・適否・美醜などについての言語感覚を育み、言語生活や言語活動を充実させて、その人らしいものの見方や考え方の土台をつくることができます。さらに、言語能力は見えない学力となって学力全体を支えるのみならず、生きる上でとても重要な鍵を握っています。どんな言葉を蓄え、それらを用いてどんな言葉を発することができる人になるのかということで、人生は変わっていくでしょう。
ステイホームで、お家の時間が増えているこの機会に、子供たちがますます本好きになりますように。たとえ外出が制約されようと、読書を通して、世界は大きく広がっていくのです。

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