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丘の学び舎 その125

2022年12月12日 校長室より

冬本番を迎えています。みこころ坂の紅葉は終わりに近づき、谷全体が幻想的なオレンジ色に染まっています。坂道に落ちた葉っぱを踏みつけるのは何となく気が引けるのですが、落ち葉の絨毯の上をカサカサと音を立てて歩いています。ロザリオヒルで、有終の美を飾るかのように、今も真っ赤に燃えている一本のもみじがあります。あまり人目につかないところに立っていますので、是非、皆さんに分かち合いたいと思います。

ひっそりと静まりかえるロザリオヒルを歩いていると、茨木のり子さんの「12月のうた」が心に浮かんできました。

熊はもう眠りました   栗鼠もうつらうつら   土も樹木も   大きな休息に入りました
ふっと   思い出したように   声のない 子守唄   それは粉雪 ぼたん雪
師も走る   などと言って   人間だけが息つくひまなく   動きまわり
忙しさとひきかえに   大切なものを   ぽとぽとと 落としてゆきます

確かに私たち教師は、特にこの季節、走っているようです。しかし、小林聖心では、クリスマスを迎える準備として、学院を挙げて、児童生徒、そして先生も、プラクティスの静けさの中で、1日を始めます。「大切なものをぽとぽとと落として」しまわないためのひととき
といえるでしょう。それは、神の御ひとり子が、私たちの一人となって、この世界に来て
くださったということを思い巡らしながら、自分が、今、生きているということに向き合うときです。

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