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校長より
2021.04.05
丘の学び舎 その116

色とりどりのチューリップが風に揺れ、子供たちの登校を待っています。いよいよ入学式のシーズンです。今週は、中学、高校、そして、小学校と、入学式が続きます。休校で始まった昨年とは異なる雰囲気ですが、第四波と思しき急速な感染拡大に、心を引き締めての始業となります。予防対策は徹底しながら、児童生徒の活動の幅はできる限り増やしていきたいとの思いを込めたスタートです。
昨日は、主のご復活のお祝い「イースター」でした。自然界が命の輝きに満ち溢れるこの季節、教会では、十字架の死を超えて新しい命の喜びに入られたイエス・キリストが、いつも私たちとともにいてくださるということを祝います。「イエスは生きている!」「イエスは救い主、主キリストだ!」という弟子たちの体験に基づいて、復活の信仰が生まれました。
この「死を超えた新しい命」のメッセージは、パンデミックの恐れと不安を抱える私たち一人一人、そして、現代世界に、どんな意味があるのでしょうか。
思い起こせば、この一年は、大なり小なり、死と向き合った年でした。日々目に留まる、日本や世界で感染した方々の数と、亡くなった方々の数。そして、何とか乗り越えてきた私たちも、日々、何らかの「小さな死」を体験したのです。これまで普通にやっていたことができない、自粛生活で会いたくても会えない、友人や仲間と語り合って楽しくお食事することもできない等、我慢したり諦めたりしたことは、数限りなかったことでしょう。さらに、世界に目を転じるならば、まさに、日々、「死」と向きあっておられる方々のなんと多いことでしょうか。小さな家でひしめき合って生活し、感染予防もままならない発展途上国の人々。コロナに端を発する差別や暴力が高じ、多くの危険に晒されることになった人々等、痛みを覚えます。
「もう終わり」としか思えない袋小路に陥っても、必ずその先へと神様が拓いてくださるのだということを、身をもって示してくださった、主イエス・キリスト。この希望こそが、イースターのメッセージです。今年度も、不安の多い生活は続きますが、希望のメッセージを心に響かせながら、子供たちが命の喜びに与る学校生活を送ることができますように、そして「希望のつくり手になっていけますように」、神様の祝福を祈りながら、新学年度を始めます。

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