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丘の学び舎 その136

2021年8月23日 校長室より

先週は、毎日、傘マークの天気予報が続きました。猛暑は一時凌げましたが、今週は厳しい暑さが戻るとのことです。
このところのじめじめした気分を、ほんの少し和らげてくれるものがあります。正門を入ったところに咲いている野生の百合の花です。お花屋さんで買うような豪華さはありませんが、控えめで可憐な姿に、まさに野の百合という感じです。子供たちの大好きな「♪ごらんよ空の鳥、野の白百合を~」という聖歌を思い出します。福音書では、「空の鳥をよく見なさい。」「野の花がどのように育つのか、よく注意して見なさい。」(マタイによる福音書6章)とあります。この聖書の箇所の「野の花」を「野の白百合」と歌っているのです。
ところで、何故、イエス様は「空の鳥」や「野の花」を見なさいと仰っているのでしょう。それは、「自分の命のことで何を食べようか何を飲もうかと、また自分の体のことで何を着ようかと思い悩むな。」(マタイによる福音書6:25)ということを伝えるためです。「空の鳥」や「野の花」を養ってくださっている天の父は、命を生かすために必要なものをすべてご存知ですから、明日のことまで思い悩まず、まずは、神様に心を向けなさい。そうすれば必要なものは全部与えられますよ、と教えてくださっているのです。
日頃、いろいろと思い悩むことの多い私たちです。生きている限り、思い煩いの連続かもしれません。この聖書の箇所は、「その日の苦労は、その日だけで十分である。」と締めくくられています。私たちに苦労があることを、神様は知り尽くしておられます。ですから、その日の重荷と向き合い、それを担いなさい。それ以上のことを、「ああなるかもしれない」「こうなったらどうしよう」と、まだ起こってもいないことを心配するのはやめて、お任せしなさい、と仰っているのではないでしょうか。毎日、正門を通る度に、百合の花を眺めながら、そんなことを思い巡らしています。

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